「担任している子ども優先で、我が子が後回しになっていると感じる」
こんな葛藤を抱えて、心も体もすり減っていないかな?
そんな中で夕方まで他人の子どもたちを指導したあと、家でも子育てがある状況がしんどいのは当然のこと。
多くの女性教員が、働き方、収入、自分の子育てが思い通りにいかなくてストレスを抱えているんだ。
そこでこの記事では、女性教員が転職を考えるリアルな理由と、転職のメリット・デメリット、後悔しない選択をする方法まで伝えるね。
読み終える頃には、あなたの経験を武器に、後悔しない未来を描くための方法がわかるはずだ。
育休後に離職が増える原因
女性教員は、出産・育児期にあたる25〜30歳と、親の介護が増える55〜60歳で退職のピークがある。(中日新聞、2022年12月11日)
なぜ出産や育児が本格化するこの時期に、離職を決断する教員が多いのか。背景には、育休制度が整っていても、復帰後の仕事と育児の両立に大きな壁が立ちはだかっているみたいなんだ。理想と現実のギャップに苦しみ、念願の教員になったのに諦めざるを得ない状況がある。
ここでは、女性が育休を期に退職する具体的な理由を紹介しよう。
時短勤務でも仕事量が変わらない
時短勤務を選んでも、担任を持てば仕事量が減るわけじゃない。家に帰れば、休む間もなく食事の支度やお風呂、寝かしつけが待っている。
仕方なく、土日や子どもが寝てから家で仕事をしている女性教員は多いんだ。
こんな状況だから、我が子と向き合う時間さえ満足に取れない現実に、何のために働いているのか分からなくなってしまう。
このまま先生を続けても、自分の望む人生は手に入らないんじゃないか。そんな漠然とした不安が、離職という決断に繋がっているんだ。
変化する教育現場への復帰に不安
育休を取っている間にも、学校現場はどんどん変化していく。特にGIGAスクール構想以降のICT化のスピードは凄まじいよね。
復帰した時に「自分の知識はもう古いんじゃないか」「周りの先生たちの話についていけないかも」という不安を感じるのは当然のこと。
本当は研修に参加して学びたいのに、子育て中でその時間すらない。そんな状況が育休後、現場復帰せずにそのまま退職する教員もいる。
同僚への罪悪感を生む、職場のフォロー体制の欠如
子どもの急な発熱。どうしても休まないといけない時、一番に頭をよぎるのはみんなに迷惑をかけてしまうという罪悪感じゃないかな。
仕事を任せたり、止めたりする負い目から「すみません」が口癖になってしまう。組織としての明確なフォロー体制がないから、個人の頑張りや同僚の善意に頼るしかないんだ。
こんな仕組みで、やりがいを持って働けるわけないのにね。
教員から転職するメリット|女性が得られる時間とキャリア
転職をするって勇気がいる決断だよね。その決断のヒントになるように、まずは転職のメリットを3つ紹介しよう。
- プライベート時間の確保ができる
- 成果が報われる評価制度がある
- 多様な選択肢が手に入る
プライベート時間の確保ができる
民間企業への転職で得られる最大のメリットは、時間の使い方を自分でコントロールしやすくなること。
土日祝日が休みになり、定時で退社できる生活は、心と体に大きなゆとりをもたらしてくれる。企業によってはリモートワークやフレックスタイム制度もあって、子育てや介護といったライフステージの変化にも柔軟に対応できるんだ。
家族との時間や自分の趣味を、もう我慢しなくていい。
成果が報われる評価制度がある
年功序列の世界から一歩外に出れば、あなたの頑張りや成果が、給与や昇進といった目に見える形で評価される世界が待っている。
もちろん結果を出す厳しさはあるけれど、目標に向かって努力した分だけ報われる感覚は、大きなモチベーションになるはず。
自分の仕事が会社の利益にどう貢献しているのかが明確にわかるから、仕事への手応えも感じやすいんだ。
多様な選択肢が手に入る
「先生しかやったことがないから…」なんて心配は無用。教育現場で培ったあなたの経験は、様々な業界で通用する強力な武器になるんだ。
教育への想いを活かしてEdTech企業に進む道もあれば、全く新しい業界にチャレンジする道もある。
自分の興味や適性に合わせて、これからのキャリアパスを自分で描いていける自由。あなたの可能性は、学校の中だけに留まるものじゃないんだ。
転職のデメリット「民間企業の厳しい現実」とは
でも、良いことばかりじゃない。後悔しないためには、転職の厳しい現実もしっかりと直視して、覚悟しておく必要がある。ここからは、そのリアルな部分を伝えるね。
- 給与・待遇の低下リスクと失う退職金
- 「子育てへの理解」は企業や部署次第という現実
- 利益を追求する組織文化と成果へのプレッシャー
- 企業によって差がある福利厚生の実態
給与・待遇の低下リスクと失う退職金
特に未経験の職種へ転職する場合、一時的に年収が下がる可能性は覚悟しておこう。教員時代の給与は、世間一般で見れば恵まれている方だからね。
また、公務員の大きな魅力である安定した昇給や、勤続年数に応じて積み上がる手厚い退職金制度もなくなる可能性が高い。
目先の給与だけでなく、生涯年収や退職後の生活まで見据えた上で、慎重に判断することが大切なんだ。
「子育てへの理解」は企業や部署次第という現実
「女性活躍推進!」なんてスローガンを掲げる企業は増えたけど、その実態は配属される部署や直属の上司によって天と地ほどの差があるのが現実。
「子育てに理解のある社風です」と面接で聞いていたのに、いざ入社してみたら子供の急な発熱による休みや時短勤務に、あからさまに嫌な顔をされるケースも少なくない。
制度があることと、それが気兼ねなく使えることは全く別の話なんだ。
利益を追求する組織文化と成果へのプレッシャー
学校という場所は、直接的な利益を追求する組織じゃない。でも、民間企業は違う。常に利益を追求し、成果や数字を求められるプレッシャーが伴うんだ。
昨日より今日、今日より明日と、常に成長し続けることが期待される。このスピード感や成果主義の文化に、「こんなはずじゃなかった」と戸惑う元教員は少なくない。
この文化の違いに適応していく覚悟は必要だよ。
企業によって差がある福利厚生の実態
産休・育休制度はもちろん、多くの企業で整備されている。でも、その取得のしやすさや、復帰後のサポート体制は企業によって雲泥の差があるんだ。
住宅手当や家族手当といった各種手当も、公務員時代より手薄になることが多い。求人票に書かれている制度の有無だけで判断するのは危険。
「実際にどれくらいの社員が、どのように活用しているのか」というリアルな実態を見極める視点が重要だね。
「女性×教員」だからこそ輝く3つの強み
あなたが教員として、そして一人の女性として培ってきた経験や能力は、あなたが思っている以上に価値がある。
ここでは、女性に備わっている強みと教員として培ってきたからこそ活かせる強みを3つ解説していくね。
【強み1】相手の心に寄り添う共感的コミュニケーション能力
女性は脳の特性として、相手の感情を読み取る共感の感度が高い傾向があると言われているんだ。その生まれ持った素質を、あなたは教育現場で、誰よりも磨き上げてきた。
相手の心に寄り添い、信頼される力。それは、どんなビジネスでも絶対に必要とされる、最高のスキルだよ。
【強み2】想定外を乗り切るマルチタスク処理能力
授業をしながら、気になる子の様子をチェックし、保護者からの電話に気を配り、放課後の会議のことも頭の片隅で考える。教員の日常は、まさにマルチタスクだよね。
右脳と左脳を繋ぐ神経が太い傾向にある女性は、複数の情報を同時に処理するのが得意と言われているんだ。
それは、教員をしながらさらに磨かれているはず。どんなに複雑な状況でも、冷静に優先順位をつけ、物事を前に進められる力は、変化の激しい現代のビジネスシーンでこそ輝くよ。
【強み3】困難な状況でも折れない忍耐力
女性は男性よりも、望まれた結果に近づくために辛抱強いと言われている。
すぐに結果が出ないことにも、粘り強く向き合い続ける。
子どもの成長は一朝一夕ではないし、保護者との関係構築には時間がかかる。何度も同じことを伝え、ときには理不尽な要求にさえ、辛抱強く対応してきたはずだ。
すぐに成果が見えないプロジェクトでも、粘り強く改善を重ねてゴールに導く力は、どんな仕事においても必ず成功の土台となる、極めて重要な資質なんだ。
もう迷わない!あなたの強みが輝く転職先5選
「私の強みはわかった。でも、それをどこで活かせばいいの?」
そうだよね、ここが一番知りたいところだと思う。
あなたのその素晴らしい経験と強みを、喉から手が出るほど欲しがっている業界や仕事がたくさんあるんだ。 ここでは、特におすすめの5つのキャリアを紹介するね。
企業の研修講師・人材開発
人に教え、その成長に喜びを感じる。あなたの情熱をそのまま活かせるのがこの仕事だ。教員として培った人前で分かりやすく話す力、相手の理解度に合わせて伝え方を変える工夫、そして成長をサポートする姿勢。
これらは、企業の未来を担う人材を育てる上で最高の武器になる。あなたの研修は、きっと多くの受講生の心に火をつけるよ。
キャリアアドバイザー・カウンセラー
児童生徒一人ひとりの個性や悩みに向き合い、将来を一緒に探してきた経験。それは、人の人生の転機に寄り添うキャリアアドバイザーの仕事に直結するんだ。
共感性で相手の本当の気持ちを汲み取り、あなたがかけてあげる言葉一つひとつが、相談者の不安を希望に変えていく。
そして教員から転職した経験も相手にとっては、かなり興味のある体験だ。
教員の経験も転職経験も同時に活かせる仕事だね。
IT・Web業界のプロジェクトマネージャー
一見、畑違いに思うかもしれないけど、ここはマルチタスク能力が最も輝く場所の一つ。
様々な専門家をまとめ、一つのゴール(Webサイトやアプリの完成)に向かってプロジェクトを動かしていく。これはまさに、あなたが学校行事でやってきたことと同じだ。
運動会や文化祭のリーダーをやっていた人は特に、その経験が生かせる分野だ。
広報・PR
学校だよりや学級通信で、子どもたちの活動や魅力をどう伝えたら保護者に響くか、たくさん工夫してきたと思う。
その経験は、企業の顔となる広報・PRの仕事でそのまま活かせる。自社の製品やサービスの価値をリサーチして、あなたの言葉で世の中に伝えていくんだ。
文章力や企画力で、会社のファンを増やすことができるワクワクする仕事じゃないかな。
秘書・バックオフィス
常に一歩先を読んで行動し、組織全体がスムーズに動くようにサポートする。この仕事は、あなたの共感力やマルチタスク能力の集大成とも言えるかもしれない。
細やかな気配りや正確な事務処理能力は、「この人がいると、仕事がうまく回る」と思わせる安心を感じさせることができる。
授業準備よりも事務仕事が多い学校現場だけど、もしいかに早く事務仕事を終えられるか工夫しながら取り組んできた人は、絶対に役立てる仕事だ。
教員退職を後悔しない選択にする3つの方法
中には、転職して「教員の方がよかったな」と感じる人もいる。でも、僕はそんな後悔をしてほしくはない。
後悔しない選択をするには、自分が本当にやりたいこと、大切にしたい価値観を見つめ直すべきなんだ。
これから紹介する3つのことをやると、自分の価値観が明確になる。
ぜひ、教員を辞めて転職するのか、留まるのか、また違う道を行くのか検討するまえに自分と向き合おう。
「なぜ辞めたい?」本音の自己分析でキャリアの軸を知る
まず最初にやるべき、そして最も重要なこと。それは「なぜ、私は教員を辞めたいんだろう?」という問いに、とことん向き合うことだ。
「忙しいから」「人間関係がしんどいから」…その奥にある、あなたの「本音」は何?「本当は家族との時間を大切にしたい」「正当に評価される環境で働きたい」といった本音が見えてくれば、それがあなたの転職活動の「揺るがない軸」になるんだ。
「どうなりたい?」理想の1日と譲れない条件を決める
過去と現在の分析が終わったら、未来を描こう。朝起きてから夜寝るまで、どんな風に過ごしていたら幸せだと感じるか、理想の1日を想像してみる。
その上で、「お金」「時間」「場所」「人間関係」など、次のキャリアで絶対に譲れない条件は何かをはっきりさせよう。
強み発見の棚卸しをする
次に、あなたの強みを見つけていこう。
学級崩壊を立て直した経験は課題解決能力だし、授業はプレゼンテーション能力だ。
もちろん、教員経験だけでなく、「時間が立つのを忘れていたくらい夢中になったこと」「子どもの頃の夢」などいろんな角度で問いかけて欲しい。
強みは今後のキャリア選択で武器になる。ぜひ時間をとって取り組もう。
・子どもの頃の夢は?
・大きな失敗と乗り越えた方法
・友人や職場でよく相談されることは?
上記の質問をヒントに、10分間書き出そう。
また友人に強みを聞くと自分では気づけない強みに気づけるよ!
転職に縛られないで!起業や教員を続ける選択も視野に入れる
自己分析をしてみて、本当に大切な価値観がが見えてきたんじゃないかな。その答えが、必ずしも転職とは限らないはず。今の環境で戦う道も、全く新しい道を創る道もあるんだ。
あなたの可能性を、転職という一つの選択肢だけで縛らないでほしい。ここからは、後悔しないために知っておくべき転職以外の選択肢を3つ、僕から伝えさせてもらうよ。
今の職場で働きやすさを手に入れる
「もう辞めるしかない」って、決めてしまうのはまだ早い。まずは環境を自ら変えにいく交渉を試してみる価値は絶対にあるんだ。
これは不満をぶつけるんじゃなくて、より良い教育環境を創るための建設的な提案。管理職に、「子育てと両立しながら、もっと学校に貢献したい」という前向きなスタンスで、具体的に配慮してほしいことを伝えてみよう。
「時短なのに仕事量が同じ」という現状と、「こういうサポートがあれば、この業務はここまでできます」という対案を示すんだ。
今のあなたがいる場所で、やれることは本当にやりきったかな?もし、それでも組織が変わらない、話が通じないと感じるなら、その時はあなたが輝ける新しい場所を探せばいい。
教員の経験を活かして起業するという選択肢
あなたの経験を元に、自分で事業を創る起業の道だってあるんだよ。「先生しかやったことないから無理!」なんて、一番もったいない思い込みだ。
例えば、専門的に学んだ教科の経験を活かして学習塾やオンライン家庭教師を始める。子育ての悩みに寄り添うコンサルタントになる。教育系のWebメディアを立ち上げる。
あなたの情熱とアイデア次第で、可能性は無限大。収入も、働き方も、全て自分で決める自由も手に入るんだ。もちろん収入が安定しない厳しい道だけど、誰かの作ったルールの上で働くのではなく、自分でルールを創るワクワクするような挑戦だよ。
まずは副業で自分の市場価値を試してみる
起業に興味はあるけど、いきなりやめてすぐに起業するなんて不安。
そう思うよね。
そんなあなたにオススメなのが、非常勤×副業だ。
これなら、ある程度年間の収入の目途がつくし、時間も空くからチャレンジもできる。
例えば、学級通信で培った文章力でWebライターをやってみる。保護者対応で磨いた傾聴力で、オンラインのキャリア相談に乗ってみる。正確な事務処理能力を活かして、オンライン秘書をやってみるのもいい。
月に5万円でもいい、自分の力で稼げたという事実は、絶大な自信を与えてくれるはず。
そして、粘り強く続けていればいずれ、非常勤の仕事の収入も超えるときが来る。
そしたら非常勤の仕事も手放していいし、続けてもいい。
自分で道を選ぶことができるよね。
【まとめ】
ここまで、女性教員が抱えるリアルな悩みから、転職の厳しい現実、そしてそれを乗り越えて輝く人の実例まで、詳しく見てきたね。転職は、決して今の自分を否定する逃げじゃないんだ。
あなたがあなたらしく、そしてあなたの大切な家族と笑顔で過ごすための「前向きな戦略」なんだよ。未来を変える力は、あなたの中にすでにある。まずはこの記事で紹介した「STEP1の自己分析」から始めて、自分の心の声にじっくりと耳を傾けてみてほしい。
あなたの新しいキャリアのスタートを、僕も心から応援しているよ。
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