「教室に入るのが怖い」
「もう子どもたちの前に立つ自信がない」
「毎日の仕事が苦痛でしかない」
こんな気持ちを抱えながら教壇に立っている先生は、驚くほど多い。僕は教員と起業の経験を生かしたプロコーチとして、多くの教員や元教員と関わってきたけど、みんな似たような悩みを抱えているんだよね。
今日の記事を通して、教員として抱える悩みや不安の本質にせまっていくよ。僕のコーチングの経験から見えてきた、教員の「心の重り」のメカニズムを解説しながら、あなたが本当に向き合うべき問題と解決の糸口を一緒に見つけていこう。
教員が感じている「重り」の正体
教員という職業は、想像以上に心に「重り」を感じやすい仕事なんだ。その重りは主に3つあるよ。
まず「不安の重り」。
明日の授業はうまくいくだろうか、保護者対応で失敗しないだろうか、このままキャリアを続けて大丈夫だろうか…こういった将来への不安が常につきまとう。
次に「孤立の重り」。
教室では一人で何十人もの生徒を相手にしていて、同僚とも本音で話せず「誰も私の状況をわかってくれない」という感覚に陥りがち。職員室で孤立している感覚、わかるよね。
そして「自己否定の重り」。
「自分は教員に向いていないんじゃないか」「もっと上手な先生がいるのに、自分なんて…」という思いが頭をよぎる。
これらの重りが積み重なると、教室に入る前から体が重くなって、「動けない」感覚を覚えることもあるだろう。それは君だけじゃないんだよ。
今、多くの教員が同じ経験をしているんだ…。
コーチングゾーンとカウンセリングゾーン – あなたはどこにいる?
心の状態には大きく分けて2つのゾーンがある。プラスのエネルギーがある「コーチングゾーン」と、マイナスの重りを抱えている「カウンセリングゾーン」だよ。
僕の経験から言うと、教員の多くは両方のゾーンを行ったり来たりしている。朝は「今日も頑張ろう!」と思っていても、夕方には「もう無理…」とカウンセリングゾーンに落ちていることも珍しくないんだよね。
これって決して悪いことじゃない。
人間だからね。ただ、大切なのは自分が今どのゾーンにいるかを自覚すること。
ここで一つ質問。
教員を辞めたいと思うとき、あなたはどのゾーンにいることが多いかな?
もしカウンセリングゾーンにいる時間が長いなら、それは単なる職業選択の問題ではなく、心の状態そのものに向き合う必要があるかもしれないんだ。
教員という仕事はね、他の職業よりもずっと心の状態が仕事のパフォーマンスに直結しやすいんだよ。子どもたちの前で高いパフォーマンスを発揮しなければならないから、余計にね。
メタ認知力を鍛える – 教員の最強の武器
教員を辞めるかどうかを決める前に、僕がまず伝えたいのは「メタ認知力」の重要性なんだ。これは自分の心の状態を客観的に観察する能力のこと。
例えば、クラスで問題が起きて怒りを感じた時、「今、自分は怒りを感じている」と気づける状態。この「気づき」があれば、感情に振り回されず冷静な判断ができるようになるんだよね。
メタ認知力を高める簡単な方法は、毎日5分でいいから自分の感情を書き出してみること。「今日はこんな場面でこんな感情を感じた」という振り返りを続けるだけで、少しずつ自分の感情パターンが見えてくるんだ。
実は、このメタ認知力は教員として最も重要なスキルの一つでもあるんだよ。子どもたちに自分をコントロールする力を教えるためには、まず自分自身がその力を持っていなければいけないからね。
教員を辞める前に考えるべき3つのこと
「辞めたい」と思った時、まず立ち止まって考えてほしいことがあるんだ。
- 本当の問題は何か?
学校や教育制度への不満なのか、自分のスキル不足への不安なのか、それとも単純な疲れなのか。問題の核心を特定することが大切だよ。 - 環境変化で解決するか?
違う学校、違う学年、違う役割だったら状況は変わるかもしれない。必ずしも教員を辞める必要はないかも。 - 自分の強みは何か?
教員としての経験や培ったスキルは、他の分野でどう活かせるだろう。自分の強みを言語化してみよう。
これらを冷静に考えるには、できれば「コーチングゾーン」にいる時がベスト。極度の疲労やストレスを感じている時の決断は避けた方がいいんだ。
新しいキャリアへの移行 – 「黙って3年」の法則
教員を辞めて新しい道に進むことを決めたなら、心構えとして覚えておいてほしいことがある。それは「黙って3年」の法則だよ。
人間は簡単には変われないんだ。
教員として5年、10年と過ごしてきたあなたが、新しい環境で即座に成功するというのは現実的ではない。少なくとも3年は、新しい環境や役割に慣れる時間として考えておくといいね。
僕がコーチングで多くの人を見てきた経験から言うと、変化には時間がかかるんだよ。僕が運営している「ままためコーチング塾に入って変わった」という人もいるけど、短期間で本当に変わることはほとんどないんだ。
だから焦らずに、小さな成功体験を積み重ねていくことが大切なんだ。今日より明日、今週より来週、少しずつ成長していくイメージで取り組んでみてほしい。
教員という枠組みから離れて、新しい自分を見つける旅は決して楽ではない。でも、自分自身に正直に向き合い、少しずつ前に進んでいくなら、必ず道は開けるんだよ。
コーチングとカウンセリングを使い分ける知恵
教員生活からの次のステップを考える時、自分自身に対して適切なアプローチを選ぶことも重要なんだ。
カウンセリング的アプローチが必要なとき
- 強い不安や恐怖を感じている
- 過去のトラウマが影響している
- 極度の疲労やバーンアウト状態
コーチング的アプローチが有効なとき
- 次のキャリアを具体的に考えている
- 複数の選択肢から決断したい
- 行動計画を立てて実行したい
自分が今どちらのアプローチを必要としているか見極めることが大切だよ。必要なら、専門家のサポートを受けることも検討してみて。
まとめ – 教員を辞めるその先へ
教員を辞めたいと思うのは、決して弱さの表れじゃない。それは新しい可能性に気づいた証かもしれないし、自分自身を守るための健全な判断かもしれないんだ。
大切なのは、自分の心の状態を理解した上で、冷静な判断をすること。コーチングゾーンとカウンセリングゾーンを行き来しながらも、メタ認知力を発揮して「今の自分はどんな状態か」を客観視できる力を養おう。
教員としての経験は、どんな道に進んでも必ず活きてくるよ。人を育てる難しさを知っている。集団をまとめる経験がある。説明力、忍耐力、問題解決力…これらは社会のどの分野でも求められるスキルなんだ。
最後に、僕からのアドバイス。
変化には時間がかかる。
だから「黙って3年」の気持ちで、焦らず自分のペースで新しい道を探ってみてほしい。そして、同じような経験をしている仲間とつながることも忘れないでほしいな。
君の新しい一歩が、より自分らしい人生への扉になることを願っているよ。
コメント